開示請求フィッシングかな?1
2023年3月、
同僚の元へ契約しているプロバイダからお手紙
「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届きました。
いきなりのAP開示請求です。
めっちゃ簡単に要約すると、
「うちが権利を持っているAVをファイル共有で流されたんや。
著作権侵害で訴えるわ。IPでアンタとこの契約者までは分かってる」
「訴訟起こすから加害者を特定するために契約情報を開示して」
こんなん言うてはるんやけど、応じていい?
ダメなら理由を詳しく。(これが一番難しい)
期限は2週間(放置すると開示されます)
こんな内容の手紙です。
普通の人なら慌てふためきますよ。
とくにオジサンはAV視聴を知られることが恥ずかしいんですよ。
それを公の場に晒されるなんて耐えがたい屈辱。
そんな心理を突いてか、結構前から振り込め詐欺は存在します。
余談ですが、同僚(今回とは別人)で振り込め詐欺に振り込んだ人がいました。
麒麟か鳳凰みたいな存在だと思ってたのに、現実にいるんやなぁって。
さて、今回のお手紙が届いてから同僚の挙動がオカシクなってました。
コソコソ電話する姿(バレバレ)を散見するようになり、
何かに思い詰めている様子。
同じ班なので仕事に支障が出てきました。
時々聞こえる「ネットが云々」の言葉で
詐欺に引っ掛かりそうなんじゃないか?
そう感じましたので、
どしたん?話きこか?
かなり躊躇っていましたが、打ち明けてくれました。
届いたお手紙をすべてコピーして預かりました。
その内容を要約しますと、
1・当社の著作物である○○をファイル共有××に流したよった
流したAVはコレ、時間は何時何分。
2・ファイル共有××に流した場合の開示請求訴訟の判例
開示請求が通りました。正義は勝つ!
訴訟後は高額な賠償金を払わされますよ。 ふふふ。
3・そんなわけで、訴えるから契約者の情報求ム
住所・氏名・電話番号クレ
・・・うん。普通のオジサンなら挙動不審になるわコレ。
私は第三者目線で見たこと、
振り込め詐欺系メールなんて山のように届くこと、
そんな立場での目線なので俯瞰できました。
その同僚に話を聞いてみると、
そのAVの販売ページ(超有名なとこ)は見た。
「商品パッケージを拡大する」までは進んだ。
アクセス日時は近い。でも買ってない。
ファイル共有?ナニソレ?
ということらしい。
ふんふん。詐欺の臭いがしてきましたなぁ。
まず、著作権を主張する会社を調べました。
そのAVは有名な会社が販売していますが、
権利を譲渡している形跡がありました。
ただし、譲渡先に著作権を主張する会社は出てきませんでした。
主張している会社、そもそも活動実績が不明なんですよ。
次に代理人である法律事務所を調べましょうか。
検索すると、
「ファイル共有で訴訟を起こされたら当事務所へ」っていうのがズラーっと並びます。
肝心の代理人事務所がなかなか出てこないんですよ。
やっと見つけて代理人弁護士を探すと、
さっきズラーっと並んでた中で検索上位にあった事務所から独立した人でした。
うん???おやおや?
判例は本物なんじゃないかな。
調べてないし、読んでたら加害者が悪いとしか言えない。
そんな判例だけを2つほど。知らんがな。
まあここまでで
「AV観てることが家族や会社にバレたら困るやろ詐欺」
それを手の込んだやり方、無視すると痛い目に遭うやり方に進化させたんでしょう。
そう感じましたね。
同僚はというと、
「悪いことしたんだね?でも今なら安く示談できるようにしてあげる」
そういう弁護士事務所へ相談していました・・・お金も準備して。
ハマってるやんか。まだ依頼してなかったのが救いか。
自分でPC内のアクセスログまで調べて、
ファイル共有にアクセスがないことまでたどり着いているんですよ。
無実ですやん。
それでいて示談に応じかけている。
そこまで追いつめられるんやなぁって。
まあとにかく、
「ファイル共有をやってないなら自信をもって断りなさいな」
そう言っておきました。
逆に、ファイル共有やってたら知らんよ?とも。
自分にこんな手紙が来たら
小難しいことを並べてるから訳ワカランし、
恥ずかしいことが家族や会社にバレたら困るし、
裁判になったら時間と金も大変だし、
今なら安く示談できるのか・・・
なんて考えずに、
少し落ち着いて考えましょう。
そして、信頼できる友人に相談しましょう。
まあそれが難しいんですけど。
最低限、出てくる法人は全て検索しましょう。